目次
はじめに
当サイトではベトナムに初めて出張する方や出張回数の少ない方へ向けて情報発信を行なっています。
そんな方々が現地の人と深く交流する機会に遭遇することはあまりないかもしれませんね。
それでも、滞在するホテルや飲食店、訪問先のスタッフなど、現地の人々との交流は重要です。
現地の人との交流が、相手とのより親密な関係性構築にもつながりますし、それが最終的にビジネスの成功にも結びつくかもしれません。
また、一般的な内容になりますが訪問する国の文化理解や円滑なコミュニケーションのためにも、
現地の人々と良好な関係を築くことが大切ですよね。
この記事では、ベトナム出張時に現地の人々と交流を深めるためのポイントとコツを紹介します。
事前準備
基本的なベトナム語のフレーズを覚える
最初に一般論になりますが、基本的なベトナム語のフレーズを覚えておきましょう。
まずは次の3つが言えればOKかと思います。
(1) Xin chào(シンチャオ)
(2) Cảm ơn(カムオン)
(3) Tôi tên là ⚪︎⚪︎(トイ テン ラー⚪︎⚪︎)
ベトナム語は、基本的にアルファベットをベースにして表記されます。
発音記号がついていますが、まずは「ローマ字的に読めば良い」と思えば始めやすいと思います。
上記の3つの意味はそれぞれ次のようになります。
(1) こんにちは
(2) ありがとう
(3) 私の名前は⚪︎⚪︎です
優先順位は番号順ですね。
つまり、まずは(1)を覚え、次に(2)を覚えれば良いと思います。
ベトナム語は漢語の影響も多大に受けています。
(2)は漢字にして表すと「感恩(かんおん→カムオン)」になります。
「恩を感じる」ということで、「ありがとう」という意味になるというわけです。
以前空港の入国審査待ちの列で見かけた様子ですが、西洋の人は「come on」という表現と結びつけて「cảm ơn」を覚えていましたよ。
挨拶や簡単な会話ができるようになるだけでも、現地の人々との距離が縮まります。
比較的覚えやすい単語だと思うので、ぜひ現地到着までに言えるようにしておきましょう。
ベトナムの文化や習慣を学ぶ
現地の文化やビジネスマナーを理解することで、誤解を避け、よりスムーズな交流が可能になります。
とはいえ、何を学んでいけばいいのか?という話にはなりますね(^^;
ビジネスにおいて、いきなりベトナムローカル企業と取引を始める可能性は低いかもしれません。
多くは日系の現地法人との取引を前提としていて、相手企業の駐在員とやり取りをすることになると思います。
そのため、ベトナム独自のビジネスの習慣を知っておく必要はないとは思います。
しかし、次のような機会はあるかもしれません。
例えば訪問先企業からの紹介でベトナムローカル企業を訪問することになったとします。
当然ですが、ベトナム語しか話せないような人とやり取りをすることになります。
その時に持っておかないといけない心構えとしては、
「日本で一般的であるビジネスマナー的なものは全く通じない」
というもの。
名刺交換の仕方や席次の考え方、ミーティング中のマナーなど、
もし相手が想定外の動きをしてもあまり過度に反応しないように注意しましょう。
逆に読者の皆さんもビジネスの本当に重要な要素にフォーカスして対峙すればきっと良い関係を築けると思います。
日常生活での交流のコツ
挨拶を大切に
ベトナムでは、挨拶が非常に重要です。
ベトナムには次のような慣用的な表現があります。
「Lời chào cao hơn mâm cỗ(ロイ チャオ カオ ホン マム コー)」
これは
「挨拶は食事(ごちそう)よりも大切だ」
という意味で、それだけベトナムにおいて挨拶が重要視されているということです。
日本でも挨拶は大切な習慣の一つとして学ぶので、ある意味日本と同じ感覚と言えるかもしれません。
取引先を訪問するときだけではなく、日常的にも挨拶を心がけることで良好な関係を築けると思います。
何よりも複雑な会話ができなくても、挨拶をするだけでも良い雰囲気が作れるのが良いですね。
ローカルな食事を楽しむ
もし訪問先企業の方が、現地スタッフとの会食の席を催してくれたのであれば、是非参加してみてください。
特に会話ができなくても、共に食卓を囲むだけでもグッと距離感が縮まります。
ただ、ベトナムでは普通の食事でも外国人的にちょっと食べられないものが出るかもしれません。
そのような場合は、無理せず遠慮しても大丈夫です。
私が駐在していた地域では次のような食事も当たり前でした。
(1) 犬料理(thịt chó)
(2) 血のプリン(tiết canh)(山羊、アヒル)
パクチーをはじめとした香草類も注意する必要がありますね。
上記のような食べ物に限りませんが、どこの国でも同じで、どんな食べ物もある食べられる人と食べられない人がいます。
そのため、日本人の客が食べられなくても、相手にそれほどネガティブな印象を与えることにはなりません。
遠慮なく食べられない旨を伝えましょう。
お酒を飲む時は必ず誰かと一緒に盃を交わすと良いでしょう(特に北部)
ベトナムでもお酒の飲み方が少しずつ変わってきているようですが、念の為書いておきます。
特に北部でお酒を飲む機会があればですが、お酒の入ったコップ・盃に口をつける際には、
必ず近くの人たちと乾杯をしてから飲むようにすると良いでしょう。
要するに各々が勝手に飲まないようにするということです。
私だけが感じているのかもしれませんが、南部ではこの習慣があまりないようです。
それに最近の若い人は割と気にせず勝手に飲む印象があります。
それでもハノイの中心街から離れた地域にある取引先で食事をする際はご注意ください。
相手もそれを求めてきますので (^^;
乾杯を求めて並んできても怯まずに
読者のあなたがその取引先にとってとても重要な場合、
つまり利害関係的に先方により多くの利益がもたらされるようなビジネスの場合はいかについてもご注意ください。
例えば、そういうことを前提とした会食を催してくれたとします。
その場合、先方のスタッフ一人一人が個別にあなたと乾杯をするべく並ぶ事態になるかもしれません(^^;
乾杯が重要な意味を持つベトナムでは、それだけ大切な人と自分も盃を交わしておきたいと思ってくれるようです。
取引先だけではなく、管理職、特に上級管理職と会食をするような場合は必ずこのようなことになります。
私が管理職として働いていた時もこのような状況でした。
一人一杯ずつのウォッカを飲むと、多勢に無勢で負けますよね(^^;
それでも管理職たるもの頑張るしかないと思い乾杯には応じていました。
ただ、出張で来られているような場合は、よほどお酒に自信がなければそれほど頑張る必要はないかなと思います。
翌日のスケジュールも考慮のうえ対応をするようにしましょう。
また、明らかに飲めないと思われた際には、予め先方(の日本人管理職)に伝えておくのも大切かと思います。
翻訳アプリの活用も有効です
最近では、翻訳アプリの翻訳精度が非常に高くなってきています。
日本語から英語はもちろんなのですが、日本語からベトナム語への翻訳も結構できます。
「結構できる」というのは、意図したとおりの翻訳に近い文章に翻訳してくれるという意味です。
もちろん、複雑な内容の場合、翻訳アプリの結果をそのまま使用すると間違った意味になってしまうこともあるため十分に注意する必要があります。
それでも日常会話的な短い文章であれば概ね問題ないかなとも思いますので、積極的に活用をしてコミュニケーションの活性化に役立てましょう。
ちなみに、ベトナム人もこの手のアプリの使用は好きなので、あなたが使わなくても彼らの方が使用を促してくるかもしれませんね。
トラブルを避けるために
礼儀正しく
ベトナム人は比較的おおらかな人が多く、総じて日本人ほど神経質に受け止められることはないと思います。
それでも、次のような内容については当然ですが、不快に思われるので、日本にいる時と同じように行動するのが良いかと思います。
・不必要な場面で大きな声を出す
・セクハラ行為(発言も含めて)
※場所をわきまえない場合ということですね
ベトナム出張で来られた方が、少し慣れてきた頃にやってしまうのが、後者ですね。
最近ではベトナムでもセクハラに対する意識が変わりつつあるようです。
駐在員の方が慣れている方とのコミュニケーションの中でやるのは全く別物と捉え、
出張者である読者の皆さんはあくまでも日本的に振舞った方が良いと思います。
ベトナム人的には問題ない行為はこういうもの
上記とは逆の意味になりますが、ベトナムでは次のような話題を出しても大して問題にはなりません。
(1) 年齢
(2) 既婚・未婚、付き合っている異性がいるか否か
(3) 家族構成
人によっては、初対面で年収を聞いてくる人もいます。
ベトナム人的には(2)や(3)を聞かれることで段々と距離感がなくなってしまいついつい色々と発言してしまうかもしれませんね。
お酒が入っていると尚更です。
聞かれたとしても悪意はないと捉え過敏に反応しないようにしましょう。
鼻をかむのにはご注意を
あと、私が意外に思ったのが「鼻をかむ」行為ですね。
私がいた北部の特定の地域だけなのかもしれませんが、日本で普通にやるように「鼻をかむ」と、非常に嫌な顔をされました。
下品なことをしているというように言われた覚えがあります。
その地域の人たちは女性でも人前で「鼻はほじっていましたが」、「鼻をかむ」のはNGでした(^^;
初対面の人、客人であればよほど何も言わないとは思いますが、そのように思われているという認識はしておいても良いかもしれませんね。
まとめ
ベトナム出張中に現地の人々と良好な関係を築くためのポイントとコツをご紹介しました。
ベトナムは現代日本と比べると比較的おおらかな国です。
また、ベトナムに限らず海外にやってくるとついつい開放的な気分になってしまうというのは誰しも同じでしょう。
しかしその中にも注意するべきことは色々とあります。
ちょっとしたコミュニケーションで相手との距離感、信頼関係が大きく変わるということを心に留めて関係作りに努めてください。