2019年秋、インドで通勤・通学シャトルバスサービス「Shuttl」を運営するスタートアップ「Super Highway Labs」(グルガオン)がシリーズCで「未来創生2号ファンド」や「豊田通商」から1800万ドル(約19億円)を調達したことが明らかにされました。調達した資金は、「Shuttl」のさらなる普及、スマートモビリティバスサービスをはじめとするMaaS(Mobility as a Service)事業の拡大に活用されるそうです。
「Super Highway Labs」は2015年4月にAmit Singh氏とDeepanshu Malviya氏によって設立されました。アプリによる事前予約で希望するピックアップ場所まで乗客を迎えにいき、希望の場所まで送り届けるシャトルバスサービスを提供しています。公共バスと異なり、座席の確保ができること、エアコン付きのバスでより快適な移動ができること等が多くのインド人ビジネスマンや学生の支持を集めました。現在はサービスエリアが6都市(デリー首都圏、コルカタ、ハイデラバード、プネー、ムンバイ、チェンナイ)、一日当たり2000台以上のバスの運行、10万回の乗車回数を実現するまでに事業が拡大しています。インドの劣悪な公共交通事情を逆手に取ったサービスと言えるでしょう。
とは言え、同様のサービスを展開すればどこでもうまくいくわけではありません。「Shuttl」のライバル「ZipGo」(バンガロール)は現在、サービスを一時停止しており、厳しい状況に置かれています。バスアグリゲーター・サービスは都市ごとの規制等に柔軟かつ迅速に対応していかなければならず、それをおろそかにすると運営があっという間にうまくいかなくなるケースがあります。
「CityFlo」(ムンバイ )は今のところサービス展開都市をムンバイに絞り、運営に問題はなさそうに見えますが、今後他都市へとサービスエリアを拡大した場合にどのような結果になるかは不透明です。
前述の通り、インドの公共交通事情は日本と比べるとかなり劣悪で、そこにビジネスチャンスを見出す企業は少なくありません。海外の投資家も注視している分野です。しかしながら、都市ごとの特徴を把握せずにむやみに投資すると、「ZipGo」の二の舞になることは避けられないでしょう。
ビズトリでは「国単位」ではなく、「都市単位」の視察ツアーに力を入れています。弊社は海外居住経験者のみによって運営されており、ビジネスは「国単位」での把握は不可能であるという経験則を活かし、それぞれのメニューを開発しています。ぜひ弊社の「都市特化型」視察ツアーにぜひご参加ください。