目次
はじめに
ベトナム出張時にレストランに行く機会もあるかと思います。
レストランに行く時に知っておくと良いと思われる事項をまとめておきたいと思います。
ベトナムレストランの金額感
同じものを食べても、ベトナムに限らず世界各国でレストラン・飲食店における金額感は大きく変わりますよね。
それは押し並べて、飲食店の種類、ターゲット層の違いによると考えます。
「超」がつく高級は別にして、ベトナムにおけるおおよその飲食店の種類とそれぞれの種類における金額感をまとめておきたいと思います。
大衆食堂 労働者や一般の事務員が通うような店 | 30,000〜40,000 VND | (約190〜250円) |
専門店 一般的な店 | 30,000〜50,000 VND | (約190〜310円) |
レストラン 独立系 | 100,000〜150,000 VND | (約630〜940円) |
レストラン ベトナム独資チェーン系 | 200,000〜300,000 VND | (約1,250〜1,880円) |
レストラン 外国資本チェーン系 | 100,000〜500,000 VND | (約630〜3,130円) |
レストラン 外国資本独立系 | 200,000〜600,000 VND | (約1,250〜3,750円) |
はっきり言ってそれほど安くはありません (^^;
最近は日本人向けのレストランで、駐在員向けにリーズナブルなお店が出始めているのも興味深い動きといえますね。
飲食店のある場所に関するメモ
日本人出張者が行くお店としては次のような場所にある店が良いでしょう。
(1)ハノイ・ホーチミンにある日本人街周辺
(2)Vincomや AEONなどの商業施設内
(3)ハノイ・ホーチミン中心地にある観光地近郊
実際には日本人街以外の場所で会食する場合には、おそらく訪問する取引先の担当の方が何らかの手配をしてくださると思います。
また、訪問する工場の周辺ではローカル食堂に行かざるを得ないですが、案外美味しかったりします。
このようなシチュエーションの場合は、恐らく誰かしらアテンドをしてくれる方がいる前提のはずですので、特に問題は起きないと思います。
どんなジャンルのレストランがあるか
ベトナムでも今は様々なジャンルのレストランがあります。
マクドナルドやスターバックスなどの外資系チェーン店も進出しているので、レストラン選びで困ることはあまりないかもしれませんね。
日本の各地方の料理は必ずしもないと思いますので、そのようなレストランを希望される場合は、適宜調べる必要があります。
ちなみに、何故か「寿司/すし/Sushi」という文字が並んだ店が目立つと思いますが、そのような店でも定食が用意されていると思います。
また品をちゃんと選べば、それほど高額にはならないと思いますので、ランチなどであれば利用するのも可だと思います。
ベトナムならではの値段の見方
ベトナムの通貨はベトナムドン(VND)です。
この通貨は円に比べて桁が多く、初めてみる時戸惑う日本人も多いのではないかと思います。
桁が多いため、ベトナムでは全ての数字を記載せず 1,000 VND単位の数字を値札やメニューに書いていることも多いです。
例えば次のような感じです。
◾️125,000 VNDの場合
125
125k
つまり1,000VND以下の表示を省略して、125だけを書くか、1000の接尾辞である「k」を使って125kと書いてあることが多いです。
タクシーのメーターもこのパターンで、100の位以下は小数点として表現されていると思います。
見慣れないうちは戸惑うかもしれません。
しかし慣れてくれば大体の金額感を想像することができるようになるはずです。
注文したものの配膳タイミング
注文時に例えば5品お願いするとしましょう。
この時、もしその5品のうち、先に持ってきてほしいものがあれば、明確に
「これは先に持ってきてほしい」
と伝えるか、あるいは先に持ってきて欲しいものだけを注文するのが、吉です。
残りの品は店員が奥に注文を伝えに行った後か、先に持ってきてもらいたい品がテーブルに届いてから追加注文するかしましょう。
(ビールを先に頼み、その後追加するのがスマートかもしれません)
日本食レストランだとまだ良いのですが、ローカルレストランでは全て揃ったところで一斉に持ってくるお店があるので注意が必要です。
「サラダ」や「たこわさ」のような品で先に持ってきてくれそうだなと予想をして注文したのに、調理に時間のかかる料理と一緒に持ってこられることも。
くれぐれもご注意ください。
一品の量のイメージ
一品の量は多い傾向にあります。
そう思って間違いないと思います。
肉やちょっとお値段の張る系の料理はそうでもありませんが、サラダや炒め物、ご飯ものの量が想定よりも多い傾向にあります。
お店によっては半分で提供してもらえるところもあります。
注文時に量のイメージを確認して、多そうであれば半分で注文できるか確認するのが良いかと思います。
おしぼりやお茶はほとんどの店で有料
おしぼり(不織布の手拭き)やお茶はほとんどの店で有料と思ってください。
おしぼりは 5,000 VND(30円くらい)、お茶はお店によっても違いますが、
せいぜい 10,000〜20,000 VND(60〜120円)くらいだと思います。
金額的なインパクトはそれほどありませんが、もしレシートの明細に書かれていた場合などは冷静に見るようにしましょう。
QRコード注文も多い、でもQRコードを使わなくても注文できることもあるので、臨機応変に
日本でも少しずつ増えている様ですが、ご自分のスマホで注文するお店も多くあります。
テーブルやテーブルの上に置いてあるスタンドに貼られているQRコードから注文ページを開き、そこから商品を選んで注文するスタイルです。
QRコードからの注文って便利なようで結構面倒ですよね。
恐らくそう思う人も多いようで、お店によっては口頭での注文を受け付けてくれるところもあります。
お店に入ったときの雰囲気を見ながら口頭で注文できそうであれば、周囲の流れに沿っても良いかと思います。
ちなみにQRコードで注文できるシステムを導入しているお店の中ではメニューが席に用意されていないところもあります。
メニューがないということは、スマホから注文画面を開いてメニューを見るものと思っていただければと思います。
会計は自席で行うお店がほとんど
会計は自席でしましょう
会計は基本自席で行います。
日本食レストランなら会計時に自席から店員に日本語で
「会計お願いします」
といえば対応してくれます。
もちろん、伝票をレジに持っていっても対応はしてくれますが、基本スタイルが自席での会計であることは覚えておいた方が良いかと思います。
クレジットカードを利用する場合は、決済端末を持ってきてくれるので、その場で暗証番号を入力して決済を完了しましょう。
ただし、時々ですが、決済端末が固定されていて、
「暗証番号の入力のためにレジまで来てください」
というお茶目なお店もあります。
2階や3階で食事をしているときは、暗証番号を入力するためだけに客を待たせることにもなりますが、恐らく現地駐在員であればその辺りの事情はよくわかっているため安心してください。
会計の時の注意点:財布を取り上げられても怯まない!
会計時の注意点ですが、現金決済をする時に稀に財布を取り上げられ、そこからお金を抜かれる時があります。
時々ですが…。
要するに我々が外国人のため、
「ベトナムの紙幣がわからない」
と思う様です。
そのため自分で金を選んで取ろうとするわけです。
恐らくハノイやホーチミンの中心街の飲食店、特に外国人が利用するような店では少なくなってはいると思いますが…
万が一遭遇した際には怯まず、悪意はないと捉え冷静に対処しましょう。
感情的にならないようご注意ください。
端数の取り扱いに対してはおおらかな姿勢で
今は比較的少なくなってきたと思いますが、会計の時に次のような現象に遭遇することがあるかもしれません。
(1) レシートには109,000 VNDと書かれているのに、110,000 VNDを取られる
あるいは、110,000 VND支払った時に、1,000 VNDのお釣りが戻ってこない。
(2) 上記のようなシチュエーションで、お釣りとして「飴」を渡してくる(飲食店というよりはスーパーで多い(多かった)パターン)
(3) 上記のような支払いをする際、クレジットカードを使った場合、明細とクレジットカードの利用票の数字が異なる。
(3)の現象は、個人的にカードを使った場合は気づきにくいです。(個人のカード利用ってそれほど気にすることがなく、後から滅多に見返さないですからね)
しかし、取引先との会食でクレジットカードを使い、翌日、事務所で精算事務をしている時に気がつくことがあるかもしれません。
私はありました…確か1,000 VNDくらい違っており指摘されるかもしれないと思いながら精算し、本社に提出。他のレシートに埋もれたためか指摘はありませんでしたが、かなり焦りました。
入店したらとりあえずWiFiに接続しよう
店内で利用できるWiFiを上手に利用しましょう
大抵の飲食店でWiFiが利用できます。
通信費の節約のためにも、通信スピード確保のためにもお店のWiFiを利用されることをお勧めします。
もちろん、セキュリティを気にされる方は、適宜セキュリティソフトの指示に従うなり、VPNを利用するなりする方が良いかと思います。
アクセスポイントの情報(IDとパスワード)は大体次の様なところに示されていて、入手することができます。
(1) 店内のテーブルや壁に貼られている
(2) テーブルの上のスタンドにアクセスポイントとパスワードの書かれた紙が挿入されている
(上記のスマホで注文できるサイトへのQRコードの下あたりに書かれています。理由はインターネット接続ができないと注文ページを開くことができないためです。)
(3) おしぼり(不織布の手拭き)の袋に印刷されている
(4) メニューのどこかに書かれている
(5) レシートに書かれている(スターバックスや現地のコーヒーチェーン店でよくあるパターン/前払い方式で、着席前にレシートを受け取れるためですね。)
(6) どこにも情報は掲載されていないけれど、店員に聞くと教えてもらえるパターン
WiFiが利用できるお店では、上記のいずれかでIDとパスワードを入手できるはずです。
入店して少し落ち着いたら、チェックしてみましょう。
パスワードのパターン
またパスワードのパターンは次のようなものが多いです。
(1) 同じ数字が8個続くパターン(8が8個とか)
(2) 住所(例えば、レタントン(Le Thanh Ton)の9999番であれば「9999lethanhton」など/ベトナムでは番号が先にきます)
(3) 電話番号
100%ではありませんが、店員から口頭でパスワードを聞くときのヒントになるかと思います。
パスワードを尋ねるとスマホを取り上げられる場合もありますが、怯まず対応(汗)
あと、これも驚くかもしれませんが、次の様な場合もあります。
冷静に対処しましょう。
・WiFiのパスワードを聞くと、スマホを取り上げられ、勝手に接続するための操作を始める
特にiPhoneの場合は、ベトナムで所持している人が多い上、日本語表示でもアイコンを見てドンドン操作をしますので…。
上述した財布を取り上げる場合と同様、初めて遭遇すると少し焦るかもしれませんが、冷静に対処しましょう。
クレジットカードが使えるお店
ベトナムでもかなり多くの店でクレジットカードが使える様になってきました。
それでも現地の皆さんが普段使いされる様な飲食店(特に上述した「大衆食堂」)では利用できない店がほとんどと言っても良いかと思います。
上述したようなチェーンの喫茶店では使えるお店もあります。
ただし、クレジットカード自体の問題か、あるいは端末の問題なのかはわかりませんが、時々利用できない場合があります。
VISA/MASTER/JCBなどの違いがあるのかどうかもわかりません。
私の経験では、自分のクレジットカードの設定の関係で一時的に海外で利用できなくなっていたりすることもある様です。
・他の店で使えていたけど、急に使えなくなった
・同じ店でも、昨日まで使えていたのに、今日急に使えなくなった/または、その逆
万が一に備えて、ある程度の現金は常に持っておきましょう。
子供が遊び回っていても寛容に接しましょう
ベトナムだけではないと思いますが、日本食レストランも含め飲食店で子供が遊び回っている場面に遭遇することがあると思います。
最近ではハノイ、ホーチミンの中心街にある日本食レストランを利用するベトナム人も増えています。
例えばベトナム人客の場合、ファミリーで来店しているグループも結構多いです。その中には子供も含まれているわけですが、その子供が店内で遊び回っていることもよく目にする光景の一つです。
ちょうどこの記事を書く直前に近くにある飲食店で昼食を食べていたのですが、店内で子供がラジコンカー(!?)を走らせて遊んでいました(^^;
親も店員も特に注意したりしませんが、それがベトナムの普通なので、そういう時は寛容な眼差しで見てあげてください。
客とビジネスの話をするなど、実害がある時は子供たちが遊んでいる場所から離れた場所に席を移るか店を変わるのが無難かもしれません。
個室ならば安全と思いがちですが、案外隣の個室にファミリーがいることもあり、その場合、子供が壁をどんどん叩いたりすることもあります。
その場その場で臨機応変に対応しましょう。
飲食店での会話には要注意
周囲に取引先やその関係者がいるかもしれません
東京や大阪といった大都市の飲食店で知り合いに偶然会うことは滅多にありませんよね。(会社の近くの飲食店などは別ですが)
大都市に限らず地方都市でもそういう場面に遭遇することは稀ではないでしょうか。
しかしベトナムをはじめ諸外国では、どうしても日本人の集まる場所が限られてくるため、取引先や知り合いに遭遇することも少なくありません。
オープンスペースの場合は、知り合いがいたとしても、着席する前に気がつける確率が高いといえます。そして、気がついた時には
「あ、こんにちは」
などと軽く挨拶をした上で、お互いに会話が聞こえる環境にあると認識しながら話をすることができるので良いのです。
しかし、ボックス席や、半個室みたいな場合、知っている人がどこにいるのかわからない状態で話をすることになります。
そのため、会話の内容にはくれぐれもご注意ください。
特に会社名や個人名を発する場合は、要注意ですし、できれば大きな声に出さない方が無難と言えるでしょう。
オープンスペースで周りに知らない人がいないと思っても、会話の中で出す会社名や人の名前を誰が知っているかわかりません。
場合によっては、取引先の自分が知らない担当者であることもあり得ます。
どのような状況でも注意するに越したことはありません。
以前私が遭遇したのは、夜のお店、いわゆるカラオケで、カーテンの向こう側に昼間ミーティングをした取引先の方が後輩の方と飲んでいたという場面でした。
その時は、こちらが先に気がついたわけですが、酒が入るとついつい大きな声になってしまいます。結果として声が通り、カーテン越しに色々とクリアに聞こえてきました(^^;(流石に、カーテン越しに話をしているところに、顔を出すのも憚られたため、こちらからアクションは取れませんでした…)
しかしその人たちが帰る際に、お声がけしたところ、相当驚かれていました。
特に変な話をされていたわけではなかったので、お互いそれほど気まずい感じにはなりませんでしたが、本当に注意するべきだなと思った次第です。
無用なトラブルを避けるならば日本人以外の外国人にも注意が必要
ハノイやホーチミンなどの日本人街には日本人以外の外国人も多く集まってきます。
例えば、韓国人や中国人などです。
彼らの中には日本語がわかる人も少なくありません。
特に韓国人の中には案外年配の方で日本語を勉強した経験のある方がいる様です。(以前、私が務めていた会社には40代後半〜50代半ばの韓国人が10名ほどおり、彼らから聞きました)
そのため、飲食店に限らずですが、日本語ならわからないと思い込み韓国人の目の前で彼らの悪口などは言わないように注意してください。(空港なども要注意ポイントの一つですね)
もちろん、陰でなら何を言っても構わないというわけではありませんが、少なくとも無用なトラブルを避けるという意味でもご注意ください。
また、ベトナム人であっても注意してください。
多くの日本食レストランには、片言の日本語を話すことができる店員がいます。
彼らの中には日本に留学していた経験があったり、その店の日本にある本店で働いていたことがあるという人もいます。
そういう人たちの中には案外日本人の会話の細かい内容まで理解できる方もいます。
ベトナムに出張してきて、色々とストレスに感じることも多いかと思います。
お酒が入ると少し気が大きくなってしまいついつい普段は言わないような言葉を発したくなることもあるかもしれません。
しかし、そういう人たちが周りにいるということを肝に銘じて、お互いに嫌な思いをすることのない様にしましょう。
まとめ
ベトナムの飲食店事情についてまとめました。
ハノイ、ホーチミンなどの中心街にある日本食レストランでも色々と気をつけないといけないことがあります。
これ以外にも案外「えっ!?」と思える事象に遭遇するかもしれませんが、
「ここは日本ではない」
と頭を切り替えて臨機応変に対応しましょう。